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日本酒ペアリングバー「お酒やさん」の店内。隣接する酒蔵でできた酒などが味わえる=2024年5月30日午後3時40分、高知県四万十町本町、原篤司撮影
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 古風な木製の引き戸を滑らせ中に入ると、正面の冷蔵ケースに並ぶ日本酒は、スパウトと呼ばれる注ぎ口がついたパウチ入り。原料は酒米ではなく「飯」として食べる地元の米。

 創業120年の老舗「文本(ふみもと)酒造」(高知県四万十町)が、とがった酒造りを始めている。

 四万十川中流域の「米どころ」である旧窪川町に唯一残った酒蔵として、「桃太郎」「入駒」といった銘柄で親しまれてきた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大などで需要が急減し、2020年に酒の製造を停止。廃業の危機に陥った。

 「もったいない」と地元の人らが立ち上がり、事業継承先を検討。近くの四国八十八カ所霊場・37番札所「岩本寺」のライトアップなどを担った縁で、三重県伊勢市のイベント企画や飲食店を手がける会社がオーナーになった。

 「酒を通じて、このまちの良…

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