山形大の「スマート・テロワール」ブランド製品。今回は生パスタ(右下)とギョーザの皮(左下)を発売した=2025年3月4日、山形県鶴岡市

 山形大が庄内の農家や加工業者と連携して進める「庄内スマート・テロワール」プロジェクトの新商品として、地元産小麦を使った生パスタとギョーザの皮が今月発売された。月末までテスト販売を行い、4月からの定番販売をめざすという。

 同プロジェクトは、庄内の農家や加工業者、小売店が連携し、食と農の地域内循環と食料の自給をめざす取り組み。2017年以降、庄内産の豚肉を使ったウィンナーやハム、大豆を使ったみそと納豆などを売り出してきた。

 今回の新商品に使われた小麦「ゆきちから」は、庄内の畑作農家が地元で出た堆肥(たいひ)を使って生産したもの。鶴岡市の「富樫製麺」が製造を担い、この小麦を60%配合した生パスタと、100%使ったギョーザの皮が誕生した。生パスタはもちもち感と歯ごたえがあり、ギョーザの皮は通常より厚いため小麦の味が引き立つという。

 生パスタ(120グラムが2束)は税抜き約300円、ギョーザの皮(25枚入り)は同約360円。

 プロジェクトの商品は通常商品より高いが、山形大農学部の浦川修司教授(畜産学)は「価格以上の価値を消費者にいかに伝えるかに取り組んでいきたい」などと話した。3月末で定年を迎えるが、引き続きプロジェクトに関わるという。

 商品は、酒田市内で店舗を展開する「ト一(いち)屋」と、鶴岡市内に店舗をもつ「主婦の店鶴岡店」の一部、計4店舗で月末までテスト販売を行う。売れ行きや消費者の意見をもとに価格を含めて見直し、4月からの定番販売をめざすという。

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