石北沿線ふるさとネットワーク代表の長南進一さん。奥にあるコンテナは貨物列車で全国各地へ運ばれる=2024年10月4日午後、北海道北見市のJR北見駅前、上地兼太郎撮影

 全国の5分の1の面積を抱え、その分、人口密度が低い北海道。JR北海道の廃線は進み、代替交通であるバスも運転手不足から減便が相次ぐ。道央とオホーツクを結ぶ鉄路の存続・活性化の運動をしている「石北沿線ふるさとネットワーク」(北見市)の長南(ちょうなん)進一代表(70)に、望ましい支援策について聞いた。

細る公共交通

 高速道路が延伸される一方でJR北海道の乗客は減り続け、2016年には全路線の約半分にあたる10路線13区間1237キロが「単独では維持できない」と表明。ローカル線の存廃は全国共通の課題で、国は昨秋の法改正で、鉄道事業者や沿線自治体からの要請で必要と認めれば、存廃を含めた方向性を協議する場を設けられるようになった。

 「東京で長く働いた後、2000年に北見へUターンしました。父が国鉄職員、母が置戸町出身ということもあり子どものころから慣れ親しんでいた国鉄池北(ちほく)線を継承した、第三セクター鉄道『ふるさと銀河線』の乗客が伸び悩んでいたことから、存続をめざして『ふるさと銀河線再生ネットワーク』という組織をつくりました。残念ながら06年に廃線になりましたが、そこで終わるのではなく『ふるさと銀河線沿線応援ネットワーク』として、沿線にかつてあった森林鉄道の産業遺産ツアーなどの活動をしてきました。16年のJR北の『維持困難路線』公表後は、地元オホーツクの大動脈ながら『JR単独では維持が困難』とされた石北線の存続のため、沿線ツアーのほか列車内や札幌で沿線の特産品の販売などをしています」

 「日本の鉄道はいま、『第三の時代』に入っていると考えます。『第一』は鉄道省や国鉄といった『官営・国営』の時代。『第二』は国鉄分割民営化による『JR』の時代。では第三とは。それは、官やJRに任せっきりではなく、沿線の市町村・都道府県・国が、鉄道の役割をそれぞれが考え、行動すべき時代になったということです」

鉄道には四つの役割がある

 「鉄道の役割には四つあると…

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