Smiley face
写真・図版
山梨県韮崎市から「地方女子」のインタビュー動画を配信する山本蓮さん=2025年6月21日午前11時47分、同市、杉山あかり撮影
  • 写真・図版

 「地元は好きだけど……」。そんな前置きに続く言葉は、地方に暮らす女性にとって「あるある」の「現実」ばかりだった。

 「東京が令和だったら地方は江戸時代かなって。家のことは女の人がやって、外のことを男の人がやるみたいなのはやめてほしい」

 大学進学を機に地元山形を離れた10代の女性は、都市部以上に性別役割分業意識が色濃い地元の後進性を嘆く。

 「親戚から『結婚はどうするの』と聞かれて、うるさいなと思った。東京の方が過ごしやすい」

 いまは東京で働く20代の女性は、地元沖縄での周囲の結婚圧力を困惑気味に語った。

  • 結婚は?子どもは? 言われ続け削られた心 「やばいとわかって」

 カメラに向かって地方の生きづらさを率直に語る女性たちのインタビュー動画を発信する山梨県韮崎市のIT講師、山本蓮さん(26)にはある思いがある。

 「地方に限らず、都市部でもジェンダーの問題は根深い」。それでも同世代の地方女子の思いを発信するのは、東京と地元・山梨の企業中心に回った4年前の就職活動がきっかけだ。

 ひとつ年上の女性の先輩は言った。留学経験を生かして海外で営業をやりたいと山梨県内の宝石会社を選んだが事務職をしている。「うちの会社で女性は営業職はできない。辞めようと思っている」

 山梨県内の企業訪問では「女性は総合職ではなく一般職」「うちは女性社員はいない」と言われ、今も残る男女間の壁を感じた。ジェンダー平等を掲げながら、女性社員だけに社歌に合わせて踊らせる動画を流す企業にあぜんとした。

女性が働ける場が少ない、だけではない生きづらさ

 性別による差別は多少あると…

共有