宮城県大崎市の大崎市民病院が医師ら1千人超に時間外勤務手当を適正に支給していなかった問題が発覚して1カ月余。病院は3日、経営状況を理由に支払えないとしていた8億円超について、一転して分割して支払う方針を明らかにした。
この問題が起きたのは、若手医師を地方にとどまらせるための施策「初任給調整手当」が主な要因だった。
大崎市は、宮城県の北西部に位置し、病院は仙台市中心部から車で1時間前後かかる。
「それなりの給料を確保しないと若い医師が来てくれない。医師がいなければ地域医療は持たない」
病院関係者は、手当の意義をそう強調する。
初任給調整手当とは何か。勧告を受けても、なぜ、いったん未払いにせざるを得なかったのか。解説します。
大学を卒業してから16年未…