今年4月、愛知県立高校4校に付属中学が設けられ、東海3県初の併設型公立中高一貫校がスタートする。第1次導入校とも呼ばれる4校は明和(名古屋市)、半田、刈谷、津島で、いずれも探究学習に力を入れる。1月には各付属中学の入学者選抜もあった。公立校に中高一貫教育を導入する意義や課題を、茨城県立水戸第一高・付属中学の御厩(みまや)祐司校長と考える。
卒業生寄付の奨学金も
茨城県立水戸第一高校には、2021年度に付属中学ができました。愛知の第1次導入校と同じ併設型の公立中高一貫校です。1期生が今年度、高校に進学しました。
中高一貫教育の良さの一つは中学生と高校生が刺激を与え合えることです。本校では中1と高3、中2と高2、中3と高1を同じフロアに配置し、日常的な交流を促進しています。
愛知の第1次導入校が力を入れる探究学習にも取り組んでいます。中学では水戸城跡にあるという立地をいかし、歴史や建築などテーマを決めて深掘りし、日本語と英語で観光ガイドをしています。県北の大子町へ行き、地域やローカル鉄道の活性化について考えることもしています。
中3で全員がシンガポールへ、中3と高1で希望者が米国や台湾へ行く研修プログラムがあり、学びを世界へと広げています。その際、所得の低い世帯の生徒も行けるように卒業生に寄付を募って奨学金を作り、挑戦を諦めることがないように考慮しています。
多様性の拡大も意識
教育の機会均等は公立の使命…