松山東雲短大の桐木陽子教授=2025年6月20日午前11時19分、松山市桑原3丁目、川村貴大撮影

 若い女性が地方から都市部へ流出し、地方の人口減少に歯止めがかからない。では、「女性に選ばれる地方」をつくるにはどうすれば良いのか。愛媛県男女共同参画会議の会長を務める桐木陽子・松山東雲短大教授(67)に聞いた。

 ――なぜ多くの若い女性が地方から出ていくことを選ぶのでしょうか

 先日公表された2025年版の男女共同参画白書では、地方に根強く残る「男性は仕事、女性は家庭」といった固定的な性別役割分担意識やアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)が一つの要因となり、それらを忌避した女性が都市部に流出し、地元に戻らないのではないか、という分析結果が示されました。

 意識調査では、特に若い世代を中心に、固定的な性別役割分担意識に対する反対派は増えてきましたが、アンコンシャスバイアスまで完全に解消されているわけではありません。

「なんで奥さんが迎えに行かんの」

 地元企業の皆さんとお話しすると、多様な価値観を有する若者たちの意識との乖離(かいり)を感じることがあります。

 例えば、社員に対していまだ…

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