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札幌市立大学准教授の丸山洋平さん

 札幌に人口が一極集中している北海道では、道外への人口の転出も続いている。この転出超過による問題は「地方の縮小」だけにとどまらないという。札幌市立大学の丸山洋平准教授(地域人口学)は「転出先の終着駅である東京は、地方出身者を受け入れることで新たな課題を抱えることになる」と指摘する。

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東京の一部の雰囲気が変わる恐れも

 札幌市は、転入者が転出者を上回る転入超過状態にあります。道内各地から、大学進学や就職を目的とした若年層だけではなく、医療や介護を求める高齢者層まで集まってきています。

 北海道全体では、道外への転出超過の状況なので、札幌に道内人口が一極集中していることがわかります。ほかの県庁所在地も、似たような傾向にあるのではないでしょうか。

 札幌に移り住んだ人々が家族を作り、札幌生まれの「札幌2世」「札幌3世」が育っています。札幌圏外との地縁は薄くなってきており、Uターンすることもなくなっていく。札幌への集中はこれからも止まらないし、札幌圏以外の市町村はますます弱っていくとみられます。

 年齢別でみると、札幌では20代前半が厚く、道外転出を食い止めるダム機能もある程度維持しています。ただ、支店経済の機能とともに、そのダム機能も弱ってきています。

これは大都市も地続きの問題

 札幌などからの転出先の最終…

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