地方史研究家の山本竜也さん(48)の研究手法が学生たちの関心をよんでいる。8冊の地方史関連の本を自費出版してきたが、地方史研究の手法をまとめた本を今年初めて商業ベースで出版。12月6日には、北海道科学大学で調査手法などについて学生らに講演した。「地方史を調べてみたいという若手に役立ててもらえたら」と期待する。

 山本さんは札幌管区気象台で予報官をしながら地方史を研究する。2018年から年1回、同大の未来デザイン学部長の梶谷崇教授(文化社会学)から「調査の面白さを伝えて欲しい」と頼まれ、地方史にまつわる講演を始めた。

 学生らにノウハウを聞かれたことをきっかけに、今年、「地方史のつむぎ方 北海道を中心に」(尚学社、税抜き3400円)を発刊した。地方史の調べ方や自費出版の実態などを紹介しており、「私は独学でやってきたが、始めるときにこんな本があったら良かったなという本をめざした」。

 当初は自身の研究にスポットを当てるつもりだったが、「他の人はどうしているのか気になり、インタビューを始めた」。結果、いろんな思いや理由があると改めて感じ、自身のほかに北海道を中心とした地方史などを研究する24人のインタビューも掲載し、広がりを持たせた。

 大学での講演では、これまで…

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