フェリーから見た悪石島。標高584メートルの御岳がそびえる=2025年6月28日午後1時59分、鹿児島県十島村、渡辺純子撮影

 最大震度6弱を含む2千回超の群発地震が続く鹿児島県のトカラ列島・十島村で、島外避難していた悪石島の島民16人が16日夜、帰島のためフェリーに乗船する。地震はなお続いているが、「島が心配。台風への備えをしたい」という。

 村では、希望制の島外避難を4日から実施し、悪石島からは52人が鹿児島市などに避難。島には16日現在、島民18人が残っている。村は「震度4が5日間ない場合」を帰島判断の目安としていたが、16日も震度4の地震があった。

 村の判断前の帰島について、久保源一郎村長は「避難自体が強制ではないから」「島民の気持ちを尊重する」と話し、帰島を希望する人から「震度5以上が起きていない」「鹿児島での避難生活もしんどい」という声があがっていることを紹介した。

 民宿を営む有川和則さん(73)は、1日100回を超していた地震が14日は40回、15日は31回と減るなかで、「島が心配。台風への備えをしたい。鹿児島におっても何もすることがない」といったん帰島を決めた。島では、島民はほぼ固まって住んでおり、ごみ収集も発電所の保守管理も島民が担い、助けあって暮らしている。「島の人みんなが家族みたいなもん。早く帰って顔を見たい」と話した。体調次第で再度避難するという。

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