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坂の多い町をレベル2の自動運転で走る電動カート=2025年1月24日午前10時29分、大阪府河内長野市大師町、前田智撮影

 大阪府河内長野市の日東町・大師町を走る電動カートで、「レベル2」の自動運転が24日から始まった。地域の住民や中学生の手で緑色など様々な色で塗られたカラフルな電動カートが町を巡った。

 「レベル2」は、通常は自動運転だが、必要に応じて手動で障害物回避や停止をする。両町は坂が多く、運転免許を返納した高齢者らを中心に多くの人が電動カートを利用している。この日も午前の便は満員で出発した。

 今回のレベル2の自動運転では添乗員が同乗する。道に電磁誘導線が埋め込まれており、通常のハンドル操作や一時停止などのブレーキ操作は自動で、路上駐車の車の回避や客を乗せるための停止、停止後の再発進などを添乗員が受け持つ。自動運転導入に併せてルートを変更。走る距離を延ばし、より多くの人に利用しやすいようにしたという。

 現在は電動カートの発着場所があるイズミヤを運営するエイチ・ツー・オー商業開発、近くで救護施設を運営する社会福祉法人みなと寮が、運転や添乗を担っている。1月に地域も入った運営会議が立ち上がり、今後は地域住民も添乗員に加わっていくという。

 市の担当者は「レベル2になることで安全性が向上し、添乗などの担い手の負担も減る」と効果を話す。将来的には一定条件下で完全自動運転で無人運転も可能な「レベル4」を目指しているが、レベル4になっても電動カートが単なる移動手段でなく交流の場になるよう、添乗は続ける方針だ。

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