フォーラム ペットと災害⑤
地震や豪雨、山火事など、かたちは様々ながら、毎年のようにどこかで大きな災害が起きています。そんななか、行政や獣医師、動物愛護団体は、ペットと飼い主への対応を、どう現実に合ったものに更新しているのでしょうか。動物保護施設「さかがみ家」を自ら立ち上げ、被災地のペットの保護活動にもかかわる俳優の坂上忍さんに、動物愛護団体の役割について聞きました。
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被災地で保護、本来の飼い主につなぐため
地震などの大規模災害が起きると、被災地で放浪してしまう犬や猫がどうしても出ます。家が壊れて逃げ出したり、もともと外で飼われていたりして、飼い主と一緒に避難できなかった子たちです。
こうした動物を保護するために現地に入るのが、被害を受けなかった地域に拠点を置く動物愛護団体のボランティアです。もちろん自分たちの安全を確保したうえですが、民間組織なので身軽で意思決定も早く、行政などよりスピード感をもって動けます。僕ら「さかがみ家」と協力関係にある団体も能登半島地震の際、石川県輪島市や珠洲市に入り、約20匹を保護しました。
被災地での保護活動にあたり、重要なことが2点あります。一つは安易に連れ帰らないこと。もう一つは本来の飼い主さん捜しに全力を尽くすことです。
まずは現地で地元の団体と情…