「これ全部、型です」
水道部品などを手がける愛知県内の中小企業では、工場の中に大小の型が、所狭しと並んでいた。3階建ての建屋は、2~3階部分を型が埋め尽くしている。さらに、これとは別に、借りた倉庫に保管している型もある。これら全てを合わせると、その数は「数千点」に及ぶという。
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型の保管費用として年間、数十万円を支払ってくれる発注元もいるが一握り。手元にある型の9割以上は、無償で保管しているものだ。
大きいものは縦、横それぞれ2メートルほど。倉庫の賃料などを踏まえれば「(保管にかかる費用を)年間500万円~1千万円ぐらいもらわないと割に合わない」とこの企業の社長は話す。
2~3年ほど前、保管費用を負担してもらえないかと発注元に相談したこともある。だが、「そんなものは出せない」と、良い顔はされなかった。代々無償で保管し、それが当たり前になってきた。
「本音を言えば(保管料を)…