財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)について、政府は29日の経済財政諮問会議で、2025年度に0.8兆円の小幅な黒字になるとの試算を示した。企業の好業績などで税収が増え、収支が改善する。実際に黒字化すれば34年ぶりだが、楽観的な前提を含むため、実現できるかは不透明だ。
PBは、国債など借金の影響をのぞいた財政の収支。公共事業や社会保障、教育、防衛といった行政サービスの経費を、おもに税収でまかなえるかどうかを示す指標になる。赤字だと新たに借金をする必要がある。国と地方のPBは1992年度から赤字続きで、借金残高は国内総生産(GDP)の2倍超にふくらんでいる。政府は当初、10年代初頭の黒字化をめざすとしたが、一度も実現できずに延期を繰り返した。いまは25年度が期限だ。
試算は今後10年ほどの見通しを示すもので、毎年1月と7月ごろに最新のデータで算出する。内閣府によると、目標期限に黒字化を見込むのは07年以来になる。
1月に示した前回試算では…