1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故で、下水道管の専門家など第三者の有識者でつくる原因究明委員会(委員長=藤野陽三・城西大学長)は4日、事故原因に関する中間報告をまとめ、県に提出した。状況から「埼玉県が管理する下水道管が、硫化水素によって腐食したことに起因する」と結論づけた。陥没がどう生じたかについては三つのシナリオを示したが、特定はできなかった。
中間報告によると、三つのシナリオのうち、有力とする二つでは、いずれも腐食によって管に隙間が生じ、管の上に空洞が発生したことが発端だとした。その上で「先に道路が崩落して土砂が流れ込み、管が破損したか」もしくは「空洞により地中の管を支える圧力バランスが崩れて管が壊れ、土砂が流入して道路が崩落したか」とした。空洞は、地中深くで発生し、年単位の時間をかけて広がった可能性があるという。
もう一つのシナリオは、腐食で管が劣化して崩壊し、土砂が流入したことで陥没に至ったか、としたが、「可能性は低い」という。
県はすべての下水道管につい…