道路が陥没した現場では工事が進んでいた=2025年5月21日午後4時32分、埼玉県八潮市、朝日新聞社ヘリから、西岡臣撮影

 埼玉県は5日、八潮市の道路陥没事故の復旧のための工事費約41億円を盛り込んだ総額99億7千万円の補正予算案を、12日開会予定の県議会6月定例会に提出すると発表した。工事費は流域下水道事業会計に計上し、企業債で賄うという。

 県によると、破損した下水道管の修復費7億円▽騒音や臭気などの対策費13億円▽中川水循環センターの復旧費15億円▽事業者への補償費4億円▽下水道局の職員増に伴う人件費2億円。事故現場の下流にある中川水循環センターは、事故の影響で不具合が生じており、復旧工事が必要という。事故対応にあたる下水道局の職員定数は121人から133人に12人増員する。

 県は昨年度、事故対応に90億円の補正予算を組んだ。今年度の流域下水道事業会計からも58億円を事故対応に使う方針で、今回の補正予算案と合わせ、計189億円を事故対応にあてることになる。大野元裕知事は5月23日の市長会議で、当面の復旧に「300億円規模」かかると述べている。

 事故対応以外では、一般会計補正予算案に就学支援金の拡充の費用50億円を入れた。高校授業料無償化に伴い、所得制限が撤廃されたため。

共有
Exit mobile version