【連載】高校思い出クリック~青春群像記~
高校をシリーズで紹介する企画。今回は埼玉県立伊奈学園総合高校です。
全国初の総合選択制普通科の高校として埼玉県立伊奈学園総合高校(以下、伊奈学)が埼玉県伊奈町に創立されてから今年で40年。関心のある科目を選んで時間割をつくるスタイルは当時、全国からも注目された。ユニークな学園生活を送った卒業生が青春の3年間を振り返る。
伊奈学が開校した1984年、駅から学校まで道の周囲は草だらけで何もなかった。それでも、この年に入学した1期生には希望と期待の光が満ちていた。
上尾中央総合病院の助産師青木かおり(56、87年卒)は新しい学校ができると聞いて「新しもの好きなので飛びついた」と話す。弓道を題材にしたアニメに影響され、弓道部を創部した。
ところが練習場がない。初代校長の渋谷栄次郎に直談判した。「渋谷先生は『よしっ』とサッカー場横の土地をくわで耕して作ってくれた」。先輩はいない。前例もない。顧問とともに弓道の本で研究したり他校の弓道部を訪問したりと必死に勉強した。「伊奈学に行きたくないなんて思ったことがなかった。雪で(埼玉新都市交通)ニューシャトルが止まった時も行きたくて仕方がなかった」
がん患者や家族を支援するた…