緊急点検により腐食が確認されたマンホールの内壁。格子状の鉄筋がむきだしになっている=埼玉県川越市、埼玉県提供

 埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた下水道管の全国緊急点検について、国土交通省は14日、埼玉県内の3カ所で腐食などの異常が確認されたと発表した。県は、異常が確認された場所について、いずれも新河岸川水循環センター(和光市)につながる、富士見市内の下水道管1カ所と川越市内のマンホール2カ所であることを明らかにした。

 県は管理するすべての下水道管を5年に1回点検しており、3カ所のいずれも「今回の緊急点検の前に県の点検で発見されており、すでに改修工事のための準備をしていた」としている。

 県によると、富士見市では下水道管(直径2・6メートル)とマンホールにズレが生じ、段差ができている状態だという。「原因は調査中」だが、上からの重みや地震などの可能性が考えられるという。

 川越市のマンホール2カ所はいずれも内壁が腐食していた。下水道管内で発生した硫化水素が原因とみられ、鉄筋がむきだしの状態になっていた。マンホールに接続する下水道管の直径はそれぞれ3メートルと2・4メートルだった。

 下水道法では、腐食の恐れが高い下水道管について5年に1回以上の点検を義務づけている。今回異常が見つかった3カ所は点検義務の対象外だった。いずれもただちに陥没事故につながるものではないという。

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