会見する武見敬三厚生労働相=2024年4月5日、東京・永田町、藤谷和広撮影

 小林製薬の紅麴(こうじ)原料を使ったサプリメントの問題をめぐり、武見敬三厚生労働相は5日の衆院厚生労働委員会で、食品に関する健康被害報告の義務化について、「まずは原因究明をして、法制化が必要であればその手続きを迅速に行う」と述べた。野党側からは、一刻も早い対応を求める声が上がっている。

 今回のサプリは「機能性表示食品」として販売されていた。消費者庁の指針は、健康被害に関して「入手した情報が不十分であっても速やかに報告することが適当」と記してあるが、法律による報告義務はない。

 小林製薬は、サプリが原因と疑われる最初の健康被害を1月に把握した。だが、行政への報告は3月下旬だった。

 立憲民主党の柚木道義氏は厚労委で「原因がわからなくても、健康被害の報告が客観的に得られた場合に、報告義務を課すべきだ」と指摘し、今国会での法整備を求めた。

 武見氏は「新たなルールが当然必要」と強調。だが、「科学的な根拠をしっかりとそれぞれのレベルの中で確認することが必要」などと述べるにとどめた。

 すべての食品が報告義務の対象になれば、被害情報をきちんと精査できるのかといった問題があり、対象の絞り込みなど検討課題は多い。

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