(6日、関西学生野球春季リーグ第1節 同大3―10近大)
5日に開幕した関西学生野球春季リーグで、所属する6大学のうち、1年生ながら先発出場した選手が1人だけいる。同志社大の内野手、斉藤佑征(ゆうと)だ。6日、わかさスタジアム京都であった近大との2回戦では2安打と気を吐いた。
前日の開幕戦は無安打だったが、2日続けて「6番・三塁」で先発出場。五回の第2打席で投前の当たりが内野安打に。続く七回の第3打席では、1死二塁から鋭いスイングで引っ張って右前安打とし、味方の反撃を呼び込んだ。
「(五回に)一本出たことで気持ちが楽になった。それが2本目につながった」
兵庫・報徳学園高の出身。4番打者として昨年の第96回選抜大会で準優勝し、夏の第106回全国選手権大会にも出場した。
同大への進学が決まり、入学前から大学の練習に参加。実戦形式のメニューを繰り返すなか、持ち前の打撃に加えて選球眼の良さも評価され、リーグ開幕節の先発メンバーに選ばれた。
斉藤たちの世代は、通常よりもバットへの適応に悩む機会が多かった。高校入学から約2年は飛距離が出やすい金属バットだった。それが昨春から低反発バットが導入され、新たな打撃の形を模索した。慣れてきたと思ったら、大学では木製バットと向き合うことになった。
「低反発バットは芯で捉えないと飛ばない。そこは木製も一緒」という。スムーズに移行できたのではないかと問うと、「いや、難しいです。木製は折れる怖さが常にある。そこまで(全力で)振れないことがあって」と苦笑した。
慣れないのはバットだけではない。
高校までの主戦場だった一塁ではなく、新たに三塁の守備に挑戦中だ。その上、新人だから、練習でも試合でも常に先輩に気を配らなければいけない。
「新しいことばかりで大変。でも、自分としても挑戦していきたい」
さらなる成長を求めるルーキーの戦いは、始まったばかりだ。