兵庫県尼崎市で訪問介護事業などを展開する「ケア・ワーク」。
6月下旬のある日の午後7時過ぎ。事業所の管理者会議で、松本教資(たかし)社長(55)は2024年度の決算について説明した後、こう切り出した。
「赤字が続き、事業として成立していない。積み立ててきた退職金を運転資金に回したい。事業再建のため我慢してほしい」
「介護の社会化」をうたい、介護保険制度が始まって四半世紀が過ぎ、現場からは「危機」を訴える声が相次いでいます。介護保険に明日はあるのか。参院選の投票日を前に、訪問介護の現場から考えます。
処遇改善などでヘルパーの待…