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消費者庁のガイドライン案で示された、包装前面栄養表示のデザイン

 加工食品の包装前面に栄養の情報を示す「包装前面栄養表示」(FOPNL)について、消費者庁の検討会は29日、ガイドライン(指針)案をまとめた。表示は、過剰摂取が国民的課題になっている食塩相当量を二重線で囲み、目立たせるデザインにした。国民の意見募集などを経て、10月以降に指針を公表する方針。

 1食分を表示の単位とし、エネルギー(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の五つの栄養成分値を、容器包装の前面に表示する。また、1日の摂取目安に占める割合をパーセンテージで併記する。表示は任意という位置づけ。

 6種類の図案から、消費者アンケートで最も支持が高かったものを選んだ。

 現在、加工食品には栄養成分表示が義務づけられ、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)という5種類の栄養成分値が、主に包装の裏面に書かれている。

 海外では、栄養成分表示に加え、わかりやすく消費者に栄養情報を伝えるFOPNLを採用する動きが活発化している。世界保健機関(WHO)などが指針を公表している。

 消費者庁の指針案では、FOPNLによって、消費者が1日に必要な栄養成分量の目安を把握できるようになることで、健康の維持増進に役立つことが期待される、としている。

 健康づくりの指針を定めた厚生労働省の「健康日本21(第三次)」では、食塩摂取量の減少を掲げ、目標を平均値7グラムとしているが、2023年の国民健康・栄養調査では平均値が9.8グラムと大きく上回っている。

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ガイドライン案について討議した、消費者庁の「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」=2025年7月29日、東京都文京区

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