塩野義製薬のロゴマーク

 塩野義製薬は7日、日本たばこ産業(JT)グループの医薬事業を買収すると発表した。JT子会社の鳥居薬品の株式公開買い付け(TOB)やJT本体の医薬事業などの買い取りに約1600億円かかる見込み。JTは1987年に多角化の一環で医薬事業に参入したが、今回の売却で撤退する。

 JTの医薬事業は鳥居薬品を中心に売上高は2024年12月期で945億円、営業利益は92億円、従業員数は1338人。アレルギーや皮膚、腎臓などの病気の治療薬を手がける。塩野義は9月にTOBなどで鳥居を完全子会社化した後、JT本体の医薬事業なども買い取る。従業員の雇用は維持する。

 塩野義はHIV(エイズウイルス)やインフルエンザなどの感染症の治療薬に強みを持つ。同社の手代木功社長は同日、東京都内で会見し、「感染症の一本足打法では事業が安定しない。JTの医薬事業とはダブりがなく、非常にフィットする」と話した。

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