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 子どもの学力に関する国の調査で、小中学生のスマホやゲームの使用時間が延びたという結果が出た。

 また、保護者への調査で、子どもが良い成績をとることにこだわらない人も増えていた。

 この結果にどう向き合えばいいのだろう。千葉大学教育学部長の藤川大祐教授(教育方法学)に聞いた。

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千葉大学の藤川大祐教授

 ――国が経年変化分析調査の結果を公表した。平日のスマートフォン使用時間が、小6で1時間5分、中3で1時間56分。ゲームは、小6で1時間43分、中3で1時間48分だった。どれも前回の調査(2021年度)より18~22分増えている。

 2010年代にスマホが普及してからインターネット使用時間は長くなる傾向にある。大半はゲームなどの娯楽目的。全く使わない人は別だが、利用時間の長さは成績と逆相関している。

与えるなら大人も覚悟を

 ただ、因果関係はわからない。勉強もしたくないし、スポーツなどほかに熱中するものもない子どもがゲームやスマホに時間を使っているともいえる。メディア規制をすれば成績が上がるといった単純なものではない。

 ただ、家にある本の冊数を指標にして、社会経済的背景(SES)別に分析した結果では、SESが低いグループほど勉強時間が短く、ゲームやスマホの使用時間が長かった。

 SESが低い家庭は、保護者が夜遅くまで働いているといった理由で、子どもが一人で過ごす時間が長くなりがちだ。そのため、低年齢でスマホを持ち、メディア接触時間も長くなる傾向にある。今後も継続的に調査していく必要がある。

 ――スマホやゲームを使う子どもに対し、保護者が気をつけることは。

 まず、大人でも依存傾向にな…

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