国王に扮した講師から、通信使について学ぶ金華小学校の児童ら=ソウル、石合力撮影

現場へ! 朝鮮通信使にかける夢(2)

 ソウル歴史博物館は、ソウル中心部の官庁街光化門(クァンファムン)にある。通信使特別展の会期は、罷免(ひめん)された前大統領の後任を選ぶ大統領選とほぼ重なった。通りには、候補者ポスターの掲示板が掲げられ、広場では、候補者が選挙カーを入れ替わりで止めて、演説会をしていた。

 大統領選で対日政策は、大きな争点にはならず、特別展関係者は胸をなで下ろした。ただ、大統領選への出馬が取りざたされていた保守系のソウル市長は、特別展開会式への参加を見送った。市が管轄する博物館の特別展が政治問題化することを避ける動きと受け止められた。

 「アンニョンハセヨ(こんにちは)」

 そんななか、5月のある日、博物館の研修室に元気な声が響いた。市内の金華小学校の4年生21人が参加した子ども向けの研修プログラムだ。会期中に計10回約200人が参加した。

往時の長旅しのび関心高める

 講師の女性がひげを着けて国王に扮し、子どもたちに通信使としての役割を与える。「出発前に両親に手紙を書きましょう」

 漢陽(ハニャン)(ソウル)…

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