兵庫県議会は12日、6月定例会最終日の本会議で、増山誠、岸口実の両県議に対する問責決議案を賛成多数で可決した。2人は内部告発問題を調べた県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員だった昨秋、非公開の百条委の音声データなどを政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏に渡したとして、各会派が対応を検討していた。増山氏は取材に応じ「粛々と対応していきたい」と述べた。
決議は2人の行為について、それぞれ「県議としての自覚に欠ける行為であるとともに、県議会の名誉を傷つけ、県民の信頼を著しく失墜させるものであり、道義的、政治的にもその責任は極めて重い」などと指摘した。
増山氏への決議は、自民党、維新の会、公明党、立憲民主党の県議らでつくるひょうご県民連合の主要4会派が提案した。岸口氏への決議は自民、公明、県民連合の3会派が提案し、維新は反対に回った。
増山氏は昨秋の知事選期間中、非公開の百条委の音声データを知事選に立候補していた立花氏に渡した。データには、斎藤元彦知事らに関する告発文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の公用パソコンにあった私的情報の内容を前副知事が話し出し、委員長に制止される様子が収められていた。増山氏は今年2月、当時所属していた日本維新の会の県組織「兵庫維新の会」から離党勧告処分を受けた。
岸口氏は、知事選期間中に立花氏と面会し、百条委員だった前県議(故人)を「(内部告発問題の)黒幕」などと記した文書を提供したとして、兵庫維新から除名処分を受けた。
その後、2人は県議会に新会派「躍動の会」を立ち上げた。