インド西部アーメダバードでエア・インディア機が墜落した事故を巡り、地元メディア「NDTV」は16日、操縦室内の音声を記録した「ボイスレコーダー」が発見されたと報じた。墜落直前に、操縦士が機体のエンジンなどに異常を知らせる発信をしていたとされており、当局が解析作業を進めている。
事故の原因調査を巡っては、インド政府が立ち上げた委員会の初会合が16日に開かれた。委員会には、政府の高官や航空当局の幹部、法医学の専門家らが参加し、3カ月以内に報告書を公表する予定だという。管制システムの態勢や乗務員の訓練など、安全性の強化に向けた長期的な改革案も提言するとしている。
そのほか、米国家運輸安全委員会や連邦航空局、今回の機体を製造したボーイング社なども現地に調査チームを送っている。
事故は12日午後1時40分ごろに発生。乗員・乗客242人を乗せたエア・インディア171便(ボーイング787型)は、アーメダバードの空港を離陸した直後に医科大学の建物付近に墜落。食堂で昼食中だった学生や住民らも含め、約270人が犠牲になった。墜落時に激しい火災が起きた影響などで遺体の損傷は激しく、身元の特定は難航している。