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長崎南山の主戦、松田侑樹投手。壱岐との試合で、延長十二回を投げ抜いた=2025年7月12日、佐世保、上沢博之撮影
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 12日の高校野球長崎大会は2回戦6試合が3球場であった。今春の選抜大会に21世紀枠で甲子園に初出場した壱岐が、延長十二回タイブレークの末、長崎南山に競り勝った。昨年の準優勝校である清峰は、第一シードの海星に敗れた。13日にも2回戦6試合、14日に残る同4試合がある。

(12日、第107回全国高校野球選手権長崎大会2回戦 長崎南山4―5壱岐=延長十二回タイブレーク)

 今春の選抜大会で21世紀枠選出校として甲子園に初出場し、長崎大会第2シードの壱岐に、延長十二回タイブレークの末、敗れた長崎南山。主戦の松田侑樹投手(3年)は1人で投げ抜き、十一回まで壱岐を4安打に抑えたが、サヨナラの適時打に泣いた。

 一回表、3番で初打席に立った松田投手は内野安打で出塁。続く小川太陽選手(同)の安打で二塁に進み、牽制(けんせい)球の後逸など、壱岐の守備の乱れに乗じて生還した。「先制点はチームに流れを持ってくる。あとは自分が抑えれば必ずチャンスが来て勝利につながる」

 四回に同点に追いつかれた以外、九回まで得点を許さなかった。長崎南山は9安打を放つも、壱岐の3投手の継投を攻め切れず、延長タイブレークに。「エースの自分が最後まで投げる」。松田投手は「気持ちで投げた」という。

 十一回表、長崎南山が2点勝ち越す。だが、その裏、壱岐が粘り同点。十二回表、長崎南山が再び1点勝ち越し。その裏に再び壱岐が追いつき、1死一、三塁。壱岐の山内徠惟選手(2年)の右前適時打をあび、初めて許した逆転がサヨナラの決勝点となった。

 松田投手は「甲子園に行けず悔いはある。だけど、明るく、勝ちに貪欲(どんよく)な長崎南山のみんなとプレーできて最高の夏でした。壱岐には、甲子園に出ている経験の差を感じた」と話した。

 長崎南山の布志木信晴監督は、すすり泣く選手たちに「負けた悔しさだけで終わらせるな。これだけ全力で泣けるのは簡単なことじゃない。積み上げてきたものが、めいっぱいあるから、これだけ涙が流れるんや。お疲れさん」と激励した。

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