野菜を並べる学生インターン。鉄道の利用客や地元の人、学生など、さまざまな人が次々に買っていく=6月11日、東京都豊島区の池袋駅構内、竹石涼子撮影

 埼玉の直売所で売れ残った野菜を、その日のうちに大学生が鉄道で運んで都心で売り切る――。産官学などが協力し合って動き出した「フードレスキュー」の活動が今年で5年目を迎える。学生には、食品ロスや農業、経営などへの関心を高める貴重な場。息の長い取り組みにしようと、試行錯誤が続く。

 「埼玉県産の野菜、いかがですか?」

 東京都心のターミナル、東武東上線池袋駅の改札口のすぐ脇にずらりと並んだキャベツやタケノコ、イチゴなど。午後6時半、大学生スタッフが開店を告げる頃には、20~30人の客が待ち構えていた。地元の人や乗降客、学生。男性も女性もいた。

 キュウリは1袋150円前後、新ジャガは250円前後。トウモロコシは400~500円。売れ残りとはいえ、鮮度も悪くない。この日は、客と会話をしながら238点を売り、売上額は6万円だった。

 週に3回開く、この店の名は「TABETEレスキュー直売所」。食品ロス削減の事業を展開する株式会社コークッキング(東京都)が手がけ、2021年8月から本格的に始動した。販売スタッフは皆インターンで働く大東文化大の学生だ。

■直売所最寄り駅から電車で都…

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