新しい技術やサービスを提供するベンチャービジネスには、従来の規制が想定していないものが多くあります。そうした「グレーな領域」にどう向き合っていけばいいのか。ベンチャーキャピタリストで、弁護士でもある下平将人さんに聞きました。
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私はベンチャー企業への投資や支援に携わっています。新しい技術やビジネスモデルを提供しようとする場合、既存の法令が想定していないグレーゾーンにぶつかることは多いですね。
日本の法体系は、事前にきちんと綿密にルールを設計しておく。一方で、社会や技術はつねに移り変わっていきます。過去に作ったルールが想定していないグレーなものがどうしても出てきてしまうのです。
起業家や投資家がグレーゾーンに突き当たったときは、法理論と価値判断の両方で検討する必要があります。いくら社会のニーズがあっても、法として「黒」ならやってはならない。
一方で、いまグレーだからと…