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足立の花火=足立区観光交流協会提供(あだち街フォトコンテスト2023応募作品 れいお氏)

 西日本や東海地方で梅雨が明け、これからが夏本番。各地の花火大会は多くの観覧が見込まれ、地域経済活性化への期待も大きいが、天候に左右されるのが難点だ。中止になると、どうなるのか。どんな備えができるのか――。荒天で中止を余儀なくされた経験がある花火大会の主催者たちに取材した。

 東京の大規模花火大会の先陣を切る「足立の花火」(東京都足立区)。2024年7月は、雷雨の影響で打ち上げの25分前になって、中止を決めた。

 今年は天候や熱中症対策を考慮し、開催期日を5月に前倒ししたが、強い風と雨に見舞われ、午後5時に上げた合図玉が大きく北風に流される事態に。大量の花火の燃えかすが民家に落下する可能性が高くなり、2年連続の中止に追い込まれた。

 主催する区観光交流協会によると、大会にかかった費用は約3億5千万円。有料席と屋形船の入場料4千万円分も払い戻しの対応となった。観客が場所取りのために敷いていたブルーシートは多くが残され、協会が回収し、処分したという。

順延に立ちはだかる「警備」の壁

 区民からは、順延を期待する…

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