長崎県五島市では夏カボチャの品種「くり大将」の出荷シーズンを迎えている。夏場に収益が見込める品種として県などが普及を後押しし、今年度は市内の22戸で253トンの出荷を見込んでいる。
青果専門商社のMVM商事(神戸市)とJAごとうなどが契約を結び、2021年度から市内の農家が契約栽培を始めた。同市下崎山町にある畑では、生産者の野﨑文善さんが大きな葉をかき分けながら1.5~2キロほどに育ったカボチャを丁寧に摘み取っていた。
収穫したカボチャは鉄コンテナで一斉出荷し、同社がセンサーで糖度や水分を計測。糖度が高く水分の少ない高品質のカボチャは同社のブランド「ほめられかぼちゃ」として高値で買い取られる。各農家が倉庫で乾燥させたり、選果や箱詰めをしたりする作業は不要で、出荷にかかる労力は軽減されているという。
契約4年目で市内の作付面積は11ヘクタールに増えており、今後は20ヘクタール、400トンの生産をめざしている。(エリアリポーター・梶山王)