夏休み、子どもの昼食どうしよう――。山梨県富士吉田市は小学校の夏休み期間中、学童保育(放課後児童クラブ)の児童を対象に、日替わり弁当を300円で提供する。市によると、山梨県内では初の取り組みという。
日中に子どもと自宅で過ごせない、共働きやひとり親の家庭に向けた子育て支援策として始める。弁当の提供は、夏休み期間(22日~8月22日)のうち、土日祝日やお盆の時期を除く計19日間にわたり実施する。
対象は、市が16カ所で運営する放課後児童クラブに通う小学1~6年生。現在、市内の小学生の3分の1にあたる約700人が通所している。弁当の予約はすでに締め切られ、約400人が注文した。1日平均で約200人分を提供する。市の委託業者が放課後児童クラブに配送し、子どもに手渡される。
1食あたり300円。委託業者が栄養バランスに配慮して献立をつくり、主食のご飯におかずやデザートが5、6品つくという。
事業費は約200万円。うち約120万円を保護者から徴収し、約50万円は子どもの居場所づくりを支援する国の補助金を充て、残りを市が負担する。
渡辺元也・市こども家庭センター長は「保護者の子育ての負担軽減につなげたい。一方で、弁当作りを子どもとのコミュニケーションで大事にする家庭もある。弁当を作る、作らないという選択肢を今回提示した」と話す。
こども家庭庁が昨年6月に発表した調査結果によると、全国の放課後児童クラブで長期休暇中に昼食提供をしている施設は全体の22.8%という。(池田拓哉)