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長野県佐久市役所=長野県佐久市中込、高木文子撮影

 夏休みに帰省したら、ふるさとの企業でバイトしませんか――。長野県佐久市は今年度、スポットワークのアプリ事業者「タイミー」(東京)と連携して、大学生らが市内の企業で働くのを後押しする。企業の特色を知って社員らとつながりを持ってもらい、将来のUIJターンにつなげる狙いがある。

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 事業では、首都圏をはじめとした市外の大学や短大、専門学校などへ進学した若者が、長期休暇で佐久市を訪れてアルバイトすることを想定。タイミーのアプリを通じて学生らと市内企業とのマッチングをはかる。

 市は学生らが市を訪れるための交通費の一部負担を検討している。また、企業がタイミーを利用した際の手数料も市が負担し、進学先の都市部などと比べて賃金に格差が出ないように、企業に待遇の向上を促す。関連予算370万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を、6月2日開会の市議会定例会に提出する。

 タイミーは佐久市を含めて全国41自治体(5月26日時点)との間で連携協定を結んでいるが、UIJターンを促すための取り組みは珍しいという。

 柳田清二市長は記者会見で「進学した学生が(故郷に)戻ってこないのは、地方都市に共通する課題。高校生までに地域の企業を知る機会がなく、進学すると人間関係も疎遠になってしまう」と話す。今回の事業について「市内の企業の技術力などを知り、働く方々と人間関係ができることで、佐久市で働くきっかけになれば」と期待した。

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