夏休みの宿題の一つとして、タブレットで取り組む計算の問題もある

 漢字や計算ドリル、読書感想文、絵日記、自由研究……。夏休みは、風物詩とも言える「宿題」と子どもたちが格闘する期間でもあります。ところで、欧米にも夏休みの宿題はあるのでしょうか。2008年から昨年まで英オックスフォード大で教授を務めた社会学者の苅谷剛彦・上智大学特任教授に、話を聞きました。

 ――日本と欧米の夏休みの違いについて、教えてください。

 大前提として、日本と欧米とでは、夏休みの区切りが大きく異なっています。米国は6月に学年が終了し、9月に新たな学年が始まります。夏休みは12週間ほどと、とても長いです。

 休みの期間に差はありますが、英国を含めた欧州も似たような制度で、学年の切り替えのタイミングにあたります。

 その間に担任やクラスも新しくなるため、学習の連続性は保ちにくいようです。日本のように学期の途中に、夏休みがあるかたちとは、そもそも違います。

「学びの損失」「学力の後退」

 ――欧米の小学校では、夏休みに宿題は出されますか。

 学校と家庭の区別がはっきりあるため、夏休みの宿題は基本的に、ありません。

 ただ、宿題がないことに伴う…

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