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性的な写真をもとに金銭を脅し取る「セクストーション(性的脅迫)」。SNSなどで親しくなった相手に性的な写真を求められ、応じると、その写真をもとに金銭を要求されたりもっと写真を送るよう強要されたりする(写真はイメージ)=中野浩至撮影

 SNSで知り合った相手に性的な写真や動画を送らせ、それらを拡散すると脅してお金などを要求する「セクストーション(性的脅迫)」の被害相談が増えている。子どもが夏休みに入るとスマホを触る時間が増える傾向にあることから、被害が広がる恐れがあるとして、支援団体が注意を呼びかけている。

 セクストーションとは、英語の「sex(性的)」と「extortion(脅迫)」をつなげた言葉だ。

国内で被害急増 アメリカは州法で規制も

 こども家庭庁がまとめた調査報告書によると、米国では2019年以降、未成年に対するセクストーション被害が急増し、22年には被害に遭った後に命を落とした子どもも確認された。南部アーカンソーや中部ユタなど一部の州では州法でセクストーションを取り締まるなど、規制が進む。

 性暴力の問題などに取り組むNPO法人「ぱっぷす」(事務局・東京)は17日、都内で会見を開いて警戒を呼びかけた。

 ぱっぷすによると、2025年度に寄せられた性的脅迫の新たな相談は現時点で907件。22年度は171件、23年度は560件、24年度は1863件と推移し、急増傾向にある。相談者の中には小学校5年生の子どももいたという。

加害者は海外に 「特殊詐欺の一類型」

 被害者の多くは、スマホの英語学習用の言語交換アプリやマッチングアプリ、メッセージ交換アプリで加害者と接点を持つ。やりとりを重ねるうちに、性的な会話や写真や動画を要求され、それらを送ってしまうと、被害者のSNSのフォロワーに向けて拡散するなどと脅され、お金や更なる写真を要求されるという。

 加害者への送金方法は「Ap…

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