大阪府枚方市は23日、市内の小中学生を対象に、学校給食がない夏休み中に昼食を無料で食べられるようにすると発表した。公益財団法人「クジラ育英会」(大阪市北区)と市内の協力する飲食店が費用を負担し、貧困など様々な事情で昼食をとれない子どもを支援するという。
取り組みは、児童養護施設やこども食堂を支援してきたクジラ育英会が企画。市が応じ、協力店を募る市商業連盟を含む3者で「夏休み子ども応援ごはんプロジェクト」の協定を締結した。
市内在住の小中学生は7月18日~8月25日、協力する飲食店で学校名や氏名などを記せば、用意された昼食メニューを何度でも食べられる。利用は、子どもだけで来店した場合を原則にする。
クジラ育英会が1食当たり650円を支出。協力飲食店が150円以上を負担して、800円以上のメニューにする。現時点で、中華料理店や焼き肉店など10店舗以上が参加する予定だという。
市内の小中学生は約3万人。家庭の所得などの制限は設けないが、経済的な事情や親が共働きで昼食の機会が確保しづらい子どもの利用を想定している。育英会は1億円程度の予算規模で、約15万食の提供を見込む。担当者は「子どもの貧困が問題になる中、子どもたちにおなかいっぱいご飯を食べてほしい」と話す。
協力店の情報は市や市商業連盟がホームページなどに発信する。
市子ども青少年政策課は「前例のない取り組みだが、地域全体で子どもを育てる街づくりを進めたい」といい、今年度の冬休みと春休みも取り組みを継続するとしている。