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パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンで2025年3月、軍事作戦を行うイスラエル軍の車両=AP

 21日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンを訪れていた外交団にイスラエル軍が警告射撃をした。国際法上、どのような問題があり、各国は今後、いかなる対応を取りうるのか。同志社大の浅田正彦教授(国際法)に聞いた。

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 イスラエル軍が各国の外交団に警告射撃をしたことは、「身体の不可侵」を定めた各種条約との関係で問題になりうる。国際社会で法の支配が軽視される最近の流れの一つの事例とも映る。

外交官の身体の不可侵に抵触

 今回の外交団に日本から参加したのは、日本政府代表事務所の2人であるので、外交官の身体の不可侵や移動の自由を定めた、「外交関係に関するウィーン条約」が適用される。同条約によれば、外交官は、いかなる抑留や拘禁も受けない。警告とはいえ、外交団に対する発砲は、抑留・拘禁を超える行為として、条約の規定に触れるのはほぼ明白だ。イスラエルは外交団の受け入れ国ではないが、占領国であるとして義務を免れるとは考えがたい。

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 だが、違反と認定されても…

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