各国の首脳・外相との会談では、語学のプロフェッショナルでもある外交官が通訳を担い、外交を支えています。外務省経済連携課の中川智博・首席事務官(37)は、最近も石破茂首相の外遊に同行するなど、これまで数多くの要人の英語通訳を務めてきました。入省前に長期の海外経験がなかった中川さんが、どのように英語力を高めたのか、また通訳としての心がけを聞きました。
――これまで、どのような場面で通訳をしてきましたか。
2017年ごろから、政府高官や国会議員などの通訳を務めるようになり、18年冬に初めて首相の通訳を経験しました。最近では、23年の主要7カ国(G7)の広島サミットや、昨年9月の岸田文雄首相とバイデン大統領(いずれも当時)の日米首脳会談を担当しました。両首脳と通訳のみで行う会談を外交用語で「テタテ(tete a tete、フランス語で『2人だけで』という意味)」と呼びますが、こうした場面にも同席することがあります。
昨年11月にブラジルで開かれた、20カ国・地域(G20)首脳会議では石破首相の通訳を務めました。これまでの首相通訳の機会は、あいさつなど細かいものも含めると100回以上にのぼると思います。
――外交官を目指したきっかけと、英語との出会いは。
三重県出身で、幼少期に海外で暮らした経験はありませんが、英語が好きでした。中高生の頃から英語のスピーチコンテストに出場したり、大学時代には(各国の大使役となって議論する)模擬国連に参加したりしていました。世界を飛び回り、コミュニケーションを通じて仕事をする外交官に憧れ、10年に入省しました。
初の長期留学、アウトプットを重視
――入省後、どのように英語に磨きをかけましたか。
英語、フランス語、ドイツ語…