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群馬県大泉町の一角には、外国人が多く立ち寄る店舗が集まる地域がある=2025年7月22日午後、群馬県大泉町、染田屋竜太撮影
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 「日本人ファースト」を訴えた勢力が伸長した参院選で、人口の2割超が外国籍である群馬県大泉町でも、参政党候補の得票が最多だった。「共生の優等生」と言われる街を歩くと、一筋縄ではいかない現実の一端が見えてきた。

 群馬の南東部、埼玉との県境にある大泉町は、ホームセンターやコンビニが点在する小さな地方都市だ。その一角にブラジルを中心にした外国料理の店が並び、英語やポルトガル語の看板が集まる。4万人余りの人口の22%が外国人(6月末時点)で、その65%以上はブラジル、ペルー人だ。

 「外国人が義務を果たさず権利だけ持っていくというのは違うのではないか」。故郷ブラジルから約30年前に家族で大泉に来たヤマカワ・フォリア・ナタリア・レイコさん(35)は言う。

 数年で帰る予定だったが、日本の小学校で日本語を学び、なじんでいったヤマカワさんに合わせるように、家族は日本に住み続けている。ヤマカワさんは埼玉の大学で職員として働く。SNSでは外国人を犯罪者とみるような言葉が飛び交い、それに「いいね」が付く。「日本人と同じように、犯罪を犯す外国人がいるのも事実。でも私は税金も納め、必要な義務は果たしている。『外国人』とひとくくりにしないで欲しい」と話す。

35年、外国人と生きてきた町の本音

外国人と「共生」してきたとされる大泉町。実際は日本人側も、外国人側も抱える複雑な思いがありました。

 「日本国籍を取った方がいいのか」。ネパール国籍のグルン・ニラズさん(42)は参院選中、「外国人排除」のような声の高まりに、20年前に来日して以来、初めてそう感じた。

 日本社会に溶け込もうとして…

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