2026年度から外国人生徒を支援する茨城県立高校=県教育委員会資料より

 茨城県内で増加する外国人生徒の教育環境を整備するため、県教育委員会は来年度から県立高校で受け入れ体制を拡充する。日本語指導などの支援を充実させる「重点校」を現行の2校から6校に増やすほか、外国人生徒が多い学校ではグローバル教育を推進できる校長を公募で採用する。

 重点校に現在指定されている石下紫峰(いしげしほう)(常総市)と結城第一(結城市)の両校では、「外国人生徒支援コーディネーター」を配置し、複数の教科で日本語能力に応じた習熟度別学習を実施している。

 来年度からは、新たに大洗(大洗町)、神栖(神栖市)、江戸崎総合(稲敷市)、坂東清風(坂東市)の4校も重点校に位置づける。6校では全募集定員のうち40人を、3教科と面接で受験できる「外国人特例選抜」で選考する。

 支援強化の背景にあるのが県内で生活する外国人児童生徒の増加だ。2025年度は4285人でこの10年で2倍超に増加。このうち日本語が不自由で「学校の授業についていけない」など特別な指導が必要と判断された小中学生は2164人。特に県南・県西地域に多く、つくば市と常総市には200人以上いるという。

 重点校に準じる「支援校」も1校加えて4校に増やし、計10校体制で日本語を母語としない生徒の支援に当たる。

 石下紫峰と結城第一では学校運営に国際的な視点を導入するため、新たに校長を公募する(https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/post-36458/)。「多文化共生社会のなかで多様な人財育成への発想力」を持つことなどが採用条件という。

 柳橋常喜県教育長は定例会見で「日本語の支援が必要な児童生徒が増加しているので、重点校・支援校を増やすことで県内を広域にカバーし、社会に必要な人材を育成するための施策として拡充を図っていきたい」と説明した。

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