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夜の闇の中、ヘッドライトをつけてパラグアイオニバスの授粉作業をする職員=2024年10月2日、都立神代植物公園
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 東京都立神代植物園(調布市)には、夜にだけ咲く花たちがいる。

10月のある夜、園内に「トプン、トプン」と水が揺れる音が響く。向かってみると、職員が池の中に入り、パラグアイオニバスの授粉作業をしていた。ヘッドライトを便りに、暗闇の中で白く浮かび上がる花の中を絵筆で優しくこすり、別の花に授粉させる。20分ほどで作業を終えた。周囲にはフルーツ味のガムのような独特の甘い香りが漂っていた。

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高い浮力、トゲで覆われた裏側

 パラグアイなど亜熱帯が原産の大型のスイレン科の植物で、大きいものだと葉が直径1.8メートルにもなる。葉の裏側はトゲで覆われていて、葉脈内には空気を送る穴があり、葉の縁が反り返っていることで高い浮力を生み出している。同園では、子どもが水上の葉に乗って記念撮影するイベントも大人気だ。

1日目は香りの強い白い花、2日目はピンクに変化

 夜に咲くパラグアイオニバスの花は、受粉のために甘い香りで虫たちを誘惑する。開花1日目は白く、強い香り。現地ではコガネムシの仲間が花に潜り込み、食事をしている最中に朝が来て花はゆっくりと閉じ、虫も閉じ込められるという。

 2日目、花はピンク色に変化…

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