「観光と住民生活の両立」をめざす白川村が作成した観光ガイドブック=岐阜県白川村役場、荻野好弘撮影

 合掌造り集落はテーマパークではなく、実際に人が暮らしています――。世界文化遺産がある岐阜県白川村は、こう呼びかける観光ガイドブック「白川郷再発見」を作った。観光情報の紹介にとどまらず、人口約1500人の村が直面する課題と願いを盛り込んだ、異色の内容となっている。

 「白川郷の合掌造り集落」が世界遺産に登録されて今年で30年。村として初めて観光ガイドブック(A5判、34ページ)を発行し、3月から岐阜県東京事務所や県産品を扱う名古屋市のアンテナショップなどで配布を始めた。

 人気の世界遺産集落の紹介は、宿泊体験記など数ページにとどめ、集落での「マナーとルール」を見開きで載せている。

 「村民の暮らしと観光を両立するには、責任と助け合いが欠かせません」として、「夜の観光はできません」「火の取り扱いは厳禁」など五つの基本を列挙した。

 勝手に合掌造り家屋に入り込…

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