高校軟式野球では、これまで「かなわぬ夢」だった甲子園。そのマウンドに立てるかもしれない。羽黒高校(山形県鶴岡市)のエース、会田大嘉(あいたたいが)投手(3年)は「あこがれの聖地で全力を出し切りたい」と張り切っている。
会田投手が出場するのは、5日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる「全国高等学校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園」(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)。全国から選ばれた軟式野球部の選手たちが東西に分かれて対戦する形式で、会田投手は東日本選抜のメンバーになった。
左腕の本格派で、1年生の秋からエースナンバーを背負っている。182センチの長身からくり出す直球は、最速137キロ。球威で強気に攻める投球が持ち味で、昨夏の西東北大会では羽黒の準優勝に貢献した。昨秋からは主将を務め、4番打者も任されている。
野球を始めたのは小学3年のとき。一時は硬式野球への転向も考えたが、軟式ならではの魅力から離れられなかった。
「筋力がそれほどない選手でも活躍できる、という良さがあります。ボールがよく弾むので、打球のゆくえが不規則なところも面白い」
硬式野球の夏の全国選手権大会は甲子園で開かれるが、軟式野球は明石トーカロ球場(兵庫県明石市)などが舞台となる。
これまで会田投手には縁遠かった甲子園だが、選抜チームに選ばれたことでグッと身近に感じるようになったという。「小さいころから、行ってみたかった聖地。いつか試合をしたいと思っていました」と、プレーボールを待ち望んでいる。
「いつも通り、自信のある直球でどんどん押します。そして、たくさんの人に軟式野球の楽しさとレベルの高さを感じてもらえたらうれしいです」