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ロッテ先発の田中晴也=日刊スポーツ
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 (27日、プロ野球 千葉ロッテマリーンズ6―4オリックスバファローズ)

 151キロ、152キロ、153キロ……。ロッテの田中晴也はプレーボール直後からぐいぐい押した。「自分らしく、全力で腕を振った」。高卒3年目の20歳。その投げっぷりは爽快だ。

 一回の先頭から空振り三振を奪い、乗っていく。186センチの長身から150キロ台の直球とフォークを低めに落とし、七回まで無失点。散発2安打、5奪三振とオリックス打線を圧倒した。

 プロ初完投どころか初完封も見えてきたが、さすがに飛ばしすぎた。七回にフォームのバランスを崩し、八回以降は救援を仰いだ。

 新潟・日本文理高時代に甲子園を沸かせ、2022年秋のドラフト3位で入団した。球威にほれ込んだ吉井理人監督から、じっくりと育てられた。

 1年目は体づくりが優先で1軍での登板はなし。2年目の昨季は初勝利をマークしたが、無理はさせない。投球回数が限定された。

 大リーグ・ドジャースに移籍した佐々木朗希と同じようなプロセスで歩んできた。そんな3歳年上の先輩とは一緒に練習したり、食事したり。「近くでたくさん勉強させてもらった」

 佐々木は3年目に完全試合を達成するなど9勝を挙げて大ブレークした。同じ月日を経た右腕も、この夜でチームトップの3勝目だ。「自分の投球をすれば勝てる自信がある」と言い切る。

 「ポスト朗希」と言ったら大げさだろうか。大器を感じさせる96球だった。

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