大けがを乗り越えた元日本王者が、2年ぶりに日本選手権(6月27~30日、新潟市)へと戻ってくる。
男子棒高跳びの江島雅紀(25)=富士通=は力を込める。
「人生はずっと成功が続くわけではない。でも、あきらめない気持ちさえあれば道は開けるということを僕は伝えていきたい」
突然の悲劇だった。
2022年6月。試合中に右足舟状骨を粉砕骨折した。
その1週間前に日本選手権を3年ぶりに制し、夏の世界選手権を見据えていた矢先のこと。
これまでの肉離れやねんざとはまったく違う感覚だった。
「自分の体の一部が失われたような。痛みよりも、頭が真っ白になって、『あー、終わったな』って」
救急搬送され、医師から手術…