マーク・ピーターセンさん=東京・築地、嶋田達也撮影

 岩波新書に「日本人の英語」という本がある。昭和末期の刊行で、著者は米国出身でいまは明治大学名誉教授となったマーク・ピーターセンさん。日本人が陥りがちな英語の間違いをユーモラスに解説して、ベストセラーになった。時代は平成を経て令和に移り、自動翻訳などの技術がめざましく進歩するいま、私たちは英語をどう学べばいいのか。ピーターセンさんに聞いてみた。

 「日本人の英語」が刊行されたのは1988年。岩波書店によると、「刊行当初は地味な出足だったが、半年後くらいから売れ行きがぐんぐん伸びた。口コミで学校の先生方や学生、ビジネスパーソンへと広がったのでは」という。

 「刊行から6~8カ月後くらいに、週刊朝日に大きな記事が載ったはず」というので探してみると、たしかに88年9月30日号の週刊朝日に、3ページにわたる記事が載っていた。「目からウロコ」「20万部ヒット」の見出しが躍り、読者や教員からの反響のほか、批判的な意見も。注目ぶりが誌面から伝わってくる。

 「続 日本人の英語」(90年)、「実践 日本人の英語」(2013年)も刊行され、発行部数は計130万部。なぜ、こんなに売れたのか。

 この本で有名になったのが、「I ate chicken」(私は鶏肉を食べた)と言おうとして「I ate a chicken」(私は1羽のニワトリを食べた)と言ってしまう例だ。

 ピーターセンさんは本のなか…

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