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創立100年の記念ヘッドマークを付けて走る大井川鉄道のSL=2025年3月8日、島田市の新金谷駅、林国広撮影

 台風被害から3年、大井川鉄道の全線復旧に向けた工事がようやく動き始める。早ければ11月に島田市内の不通区間で線路に流入した土砂などの撤去工事に入る予定。沿線から期待の声があがる一方で、工事の具体的な計画や費用の協議はこれからだ。工事費の高騰や大鉄の経営再建といった課題も山積している。

 大鉄大井川本線の終着駅で、奥大井への観光の玄関口となる千頭駅(川根本町)。駅前で自動車整備会社を経営する中原康夫さん(71)は「コロナ禍前は週末になると観光客で通りがあふれていた。この3年間、SLの汽笛が聞こえない日常が当たり前になってしまってさみしい」とこぼす。

 大鉄は2022年の台風被害で、現在も本線の半分ほど、川根温泉笹間渡(島田市)―千頭間の19・5キロが不通のままだ。

 運行再開に必要な費用は、災害復旧に4.8億円、経年劣化したトンネルや軌道の機能回復に16.2億円と算定。うち大鉄が負担すべき7.8億円を、県と島田市、川根本町が補助と貸し付けで追加支援し、29年春までに全線開通をめざす内容で3月に合意した。私鉄に対して異例の支援内容だ。

 中原さんは町民らでつくる「大井川鉄道全線復旧を支援する会」の副会長を務め、署名活動に取り組んできた。「ようやく光が見えてきた」と喜ぶ一方で、「最近は災害が頻発しているし、建設業界は人手不足と聞く。復旧が順調に進めばよいのだが」と心配する。

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土砂が流入して不通になった下泉―田野口間の線路=2024年4月、大井川鉄道提供

経営再建など課題山積

 大鉄は今月、県と2市町に今…

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