大人を「展示」する博物館がある。
その名も「大人博物館」だ。
会場は各地の児童養護施設。銀行員や木こり、カラオケ店のバイトなど、さまざまな仕事、生き方をしている大人たちを「展示」する。施設で暮らす子どもたちがブースを回り、対話を重ねる。
施設の出身で、大人博物館を企画した林めるりさん(25)は「色んな大人と出会い、たくさんの選択肢と可能性を知ってほしい」と話す。
児童養護施設で暮らすのは、保護者がいないか、保護者に監護させるのが適当でないと判断された子どもたちだ。そもそも保護者らに頼れないうえ、職員以外の大人と触れあう機会は乏しい。
林さんも、そんな一人だった。
幼少期、両親から十分な食事…