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「最後のドン・キホーテ」に出演する大倉孝二(右)と咲妃みゆ=宮川舞子氏撮影

 騎士道物語を読みすぎて、自分を遍歴の騎士と思い込み、世直しの旅に出る……。17世紀にスペインの作家セルバンテスが生み出した初老の主人公は、様々な作品の題材となってきた。そんな古典に、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が新作「最後のドン・キホーテ」で挑む。大倉孝二と咲妃みゆが出演する。

 「読んでても、よく分からなかった。ただ、たまに笑っちゃう。ひどいなぁと思って」

 主演の大倉は原作小説「ドン・キホーテ」の印象を、そう語る。

 今回の舞台で演じるのは、「ドン・キホーテ」の主人公を演じるうちに、自身を遍歴の騎士(ドン・キホーテ)だと思い込む初老の俳優。現実と妄想の区別がつかなくなって稽古場を飛び出し、周囲がドタバタとさがし回る。

 「分かりやすい意味は、ない…

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